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電子レンジ





「阿近、デンシレンジという物を知っておるか?」
「何だそれは」
「現世にあった物だが、とても便利だったのだぞ」
「ほう」
「こう、四角い箱の形をしていて、右側にボタンが並んでいる」
「ふむ」
「箱の扉は開くようになっていて、中に物を入れられるのだ。中に物を入れて、ボタンを押すと、箱の機械が動き出す」
「機械なのか」
「それでしばらくすると『チン!』と音がして、開けてみると、中に入れた物が温まっているのだ!」
「ほう」
「特に寒い日には、食べ物を温めるのに重宝したものだ」
「なるほど」



後日。
「おい、この間話していたデンシレンジとやらを作ってみたぞ」
「なに本当か、阿近!さすがだな!」
「出てこい」
「?出て…?」
「ハジメマシテコンニチハ、ぼくレンジ」
「れ…恋次っっ!?どうしたのだ、こんなに四角くなって!?」
「箱型なんだろう?」
「え!?いや、確かに箱と言ったが…」
「ナニヲアタタメマショウカ?」
「腹の部分に扉がある」
「か…観音開き!!」
「入ってみろ。温まるぞ」
「は??」
「アタタメマショウ!アタタメマショウ!」
「いや待て、阿近!現世のデンシレンジは食べ物しか温めぬのだ!」
「なら喜べ、人も入るように俺が改良してやった。寒い日には助かるぞ」
「アタタメマショウ!アタタメマショウ!」
「ちょっと待てっ、押し込むな阿近!そしてそれを手伝うなレンジ!」
「チンと鈴が鳴るまで出てくるなよ、と言っても内側からは開けられんが」
「えええっ!?」
「霊子エネルギーじゃなくて電子エネルギーで動かすのは苦労したぞ」
「で…電子恋次!??」
バタン。チン!



肉まんを温めていて思いついたネタ。
レンジがどんな形をしているかとか、その後ルキアがどうなったかとか、細かいところは皆さんのご想像にお任せします…

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