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やけっぱちギンルキその2





〜単純な真理〜


振り向いてなんて言わへんよ
愛してくれとも言わへんし


「…市丸隊長」
「うん?」
「いい加減に、付きまとうのをやめてもらえませんか」
「なんで?」
「せっかくの休日に、こう付きまとわれては休みになりません」
「せやけど、ボクらは一緒におらなあかんでしょ」
「へ?」
「ルキアちゃんはボクのものやし」
「市丸隊長のものになった覚えはありません!」
「なんでルキアちゃんはボクのものにならへんの」
「どうして市丸隊長のものにならなければいけないのです」
「欲しいから」
「…え?」
「ボクがルキアちゃんを欲しいから」
「…呆れた」
「それ以外にないやろ?」
「意味が分からぬ」
「別に意味なんてそれだけや」
「離せ!はーなーせー!!」
「いーやーだ。ボクのものや、離さへん」
「貴様!」


振り向いてなんて言わへんよ
愛してくれとも言わへんし

ただボクは君が欲しい
だから君はボクのものになるべきで
ボクのものにならなあかん
それはとても単純な真理

だけど


「貴様、狂っておるぞ!」


だけど君はそれを
狂気と呼ぶ






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